2014年1月1日水曜日

加賀商工会議所会頭年頭のごあいさつ

日本一のおもてなしの市を目指して

 加賀商工会議所   
会頭 新 家 康 三
 平成二十六年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げますとともに、皆様方のご多幸を心からご祈念申し上げます。
さて、昨年は、年初来よりのデフレ脱却に向けた政策、いわゆるアベノミクス効果によりまして、日本経済が回復基調に移り、同年三月には日経平均がリーマン・ショック前の水準にまで戻り、有効求人倍率の大幅な改善や円安効果とともに、少しずつではありますが自信を取り戻し始めた年でありました。また、2020年の東京オリンピック開催が決定したことも、回復傾向への大きな要因となりましたし、やがて3年目を迎えます東日本大震災も、被災企業が事業再開を果たし、徐々にではありますが、復興への歩みが進んでいるとのことであります。
こうした中で、北陸新幹線線の金沢開業がいよいよあと一年余りと迫ってまいりました。金沢開業による交流人口の拡大への期待につきましては、東京から金沢まで乗換えなしの2時間30分で結ばれ、これまでの年間230万人から600万人まで増えると期待されています。そのための観光戦略としては、首都圏において、金沢駅からJR特急で30分足らずであることを強くアピールし、「金沢近郊の温泉郷」あるいは「金沢の奥座敷」としてのイメージ戦略を強く進めていくことが重要だと考えております。
敦賀までの延伸につきましても、加賀市内における整備が測量段階に移り、これに伴った加賀温泉の駅舎デザインやその周辺整備につきましても、新病院の完成とともに、加賀市の玄関口にふさわしい魅力ある形で整備されることを期待したいと思います。
また、新幹線効果を永続的に享受するためには、交通対策はもちろんのこと、観光資源のブラッシュアップとともに、加賀市の魅力的な商品を加賀ブランドとして発信しなければならないと考えております。そのためにも、加賀市全体が生き生きとした「交流空間」として、多くの人々が訪れたくなる観光地づくりを、観光交流機構と連携して、農業や漁業、機電産業等、オール加賀で、日本一のおもてなしの市として、取り組んで参りたいと考えております。更に、加賀だけでなく、野々市市以南の行政や経済団体、芦原温泉や永平寺町、三国町等の福井県境の行政や経済団体との広域連携にも、これまで以上に深めていきたいと思います。
商工会議所では、時代の変化に機敏に対応していくとともに、会員のニーズをしっかりと把握し、真に求められる事業に取り組み、地域の活力増進に務めていくことが必要であると考えており、そのための施策として、国道八号線の「道の駅」を含めた賑い創出事業や、現在の市民病院の跡地利用、伝統工芸等の振興策、中小零細企業対策や金融対策の強化等、これまで以上に企業や地域の活性化に強力に取り組んで参りたいと存じます。
また、地域経済の活力の源としての社会人向け経営革新塾や各種セミナーの開催、高校性への国家資格取得支援やインターンシップ事業、デュアルシステム事業の推進等、地域を支える方々の人財育成を図り、加賀市の最も魅力的な資源として育てて参りたいと存じます。
一方、昨年、初めて市民の「郷土に対する認識度向上」「おもてなし意識の高揚」などを目的に、「加賀ふるさと検定・おもてなし講座」を実施いたしました。加賀検定では二六七名もの方が受験され、最高齢八六歳の方を含め、六〇名余の合格者がありましたが、これも、地域の人々の“おもてなし”の志の高さが感じられ、本年以降も継続して実施して参りたいと存じます。更に、婚活プロジェクトにつきましても、これまでに六組の夫婦が誕生いたしましたが、地域としての期待度も高まってきていることから、更に力を入れていきたいと考えております。
本年も加賀商工会議所は地域の総合経済団体として、会員各位の英知を結集し、地域経済の発展に寄与したいと存じます。本年を更なる前進の年とするため、関係各位には一層のお引き立てをお願い申しあげます。